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‘イタリア語コラム’ コラム

イタリアの概要

大陸に属する国家でありながら、イタリアはそのほとんどの領土をイタリア半島に属していること、そしてそのために海に囲まれた地域が多いこと、南北に長い国土を有していること、そしてその屋台骨とでも呼ぶべき中央部には山脈を持っていること、活火山を有し古に現在に爆発による被害を受けていること、等などイタリアは日本と実はよく似た地勢であることに気づかれることでしょう。西洋社会に日本が初めて紹介されたのも、イタリア人マルコ・ポーロの記した東方見聞録により為されたという繋がりもあります。そしてイタリアが現在のイタリア共和国に通じる近代国家イタリア王国として統一されたのは1861年であり、これは日本が1868年に明治維新を興し、西洋文明を積極的に取り入れるアジア初の近代国家となったのと極めて近い年代でもあります。また結果として不幸な運命を辿ることになったとはいえ、第二次世界大戦においてはドイツを含めた枢軸国として、日本はイタリアと同盟を結んでいたこともよくご存知のことでしょう。このように日本はイタリアと遠く離れていながら、様々な共通点や繋がりを持っていたことに気づかされます。現在、多くの日本人がイタリアを訪れます。観光遺産を目的としたパックツアーの旅行者から、ブランド品の買い物を目指す女性たち、熱狂的なサッカー観戦に来るスポーツ少年、イタリア製のワインやチーズを輸入したり、逆に日本の電化製品やゲーム機器を輸出したりするビジネスマンなど年齢や目的は様々ですが、これらの傾向はけっして一過性のものではなく、年を追うごとに一層盛んになってきました。またかつては遠距離で物価高だと敬遠されていた、イタリア人観光客の日本旅行に関しても、ヨーロッパの景気の良さが長続きしていることとユーロ高による割安感に支えられ、近年著しく伸張を見せています。

こうした傾向はお互いがお互いに対して親近感を持っているからに他なりません。その親近感こそが、歴史であり地勢であり、自ずと発想が似てくることにも由来しているのでしょう。それではイタリアがどんな国であり、そこで話されるイタリア語がどんな言語であり、日本人にとってどういったイメージで捉えられているのかを考えてみましょう。

イタリアの行政区画

共和制に移行した現在、イタリアは以下の20州から成り立ちます。 ヴァッレ・ダオスタ、ピエモンテ、リグーリア、ロンバルディア、トレンティーノ・アルト・アディジェ、ヴェネト、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア、エミリア・ロマーニャ、トスカーナ、ウンブリア、マルケ、ラツィオ、アブルッツィ、モリーゼ、カンパニア、プーリア、バジリカータ、カラブリア、シチリア、サルデーニャ。

 この中で日本人が耳にしたことのある州名はどれほどあるでしょうか。ヴェネツィアという言葉とトスカーナ、そしてシチリア辺りで後は耳慣れないと思われるかもしれません。普通日本人がよく耳にするのは都市名であることがほとんどだからです。これというのも結局はイタリア半島に点在した国家からの馴染みが今も影響しているからに他なりません。

 たとえばモードの中心地であるミラノは、ロンバルディア州の州都です。普通住所を記すときには州名は省きますから、仮にミラノの会社と取り引きのある日本企業であってもロンバルディアという名称を目にする機会は限られてきます。このミラノという名称はローマ帝国時代にメディオラヌムという名称で築かれた土地に由来し、中世にはミラノ公国という国家が存在していました。このため地元ではミラノっ子としての意識はあってもロンバルディアっ子と称する人はほとんどおらず、あくまで行政目的の区分に過ぎないという感覚が強いようです。

 そしてイタリアの首都であるローマの名前も州名には登場しません。ローマはラツィオ州の州都ではありますが、州名にはその名を刻んでいません。日本人がこの他にも耳にしたことがあるはずのフィレンツェ、ナポリ、ボローニャ、トリノ、ジェノヴァなどの大都市もあくまでも州名としては使われていないのです。唯一ヴェネツィアだけが登場しているようですが、実はヴェネツィアはヴェネト州の州都であり、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州にはありません。

 ではイタリアにはいくつ県があるのかといいますと、実に103県にも及びます。日本の小学生は1都1道2府43軒を覚えるのにたいへんでしょうが、イタリアの子供たちは20州103県の名前を暗記しなくてはならないのです。

 そしてもちろんのこと、県の中には市町村があります。前述の大都市はそれぞれ同じ名前の県名の県庁所在地としても扱われています。ミラノ市の住所を一例に挙げますと、
 Piazza Duomo 1, 20123, Milano (MI)
 郵便番号20123、ミラノ県ミラノ市ドゥオモ広場1番地
 このように県名はそれぞれアルファベット2文字で省略して記されます。

県名と市名が同じ場合は少し注意が必要で、例えば会社やアパートの所在地がミラノにあるといっても、それはミラノ県なのかミラノ市なのかすぐにはわからないことです。ミラノ市は人口140万人を超える大都市ですが、ミラノ県の中には人口数千人の市町村も存在しますから、県と市のどちらを指しているのかによって環境も大きく異なってきます。

 さてイタリアは人口5千8百万人を擁する国家ですが、前述の州の中で最大の人口を誇るのがミラノを中心とするロンバルディア州で人口は9百万人を超えています。首都のローマのあるラツィオ州は大都市が少ないこともあって5百万人を超える程度に留まり、ヴァッレ・ダオスタ州の12万人、モリーゼ州の32万人のように非常に少ない人口しかいない州もあります。日本でも人口が一極集中し過疎が進んでいる地域や県もありますが、イタリアでも同じ減少が生じているといえましょう。

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